2005.05.15

年金の一本化について

近年、年金の改革について国会でも論議されていますが、政治というのはいろいろな利権が絡んできますから、最初の理念は立派でも最終的には変な妥協の産物ができてしまいます。

すべての年金を一本化すべきという政党もあり、その考え方自体は本来あるべき姿だと思うのですが、私個人としては、個人事業者まで負の財産を背負いまくっている厚生年金に組み込まれるのは避けて欲しいと考えています。

今は、個人事業者であれば国民年金だけで、当然これだけでは十分な年金を確保できませんが、国民年金基金や小規模企業共済などに加入しておけば、有利な条件で老後の生活費を積み立てておくことができます。

ヘタに将来の条件悪化が確実な厚生年金に取り込まれるよりも、国民年金だけで、「あとは自分で工夫しなさい、選択肢はある程度国が用意しますから」という今の制度の方が、1個人の立場としてはありがたいと思います。

今のように制度が分かれていて、いろんな矛盾が出てきたからそれを解消するために1本化しても、いろんなしわ寄せや矛盾が出てくるのは間違いないでしょう。

すべての国民を国が手厚く面倒見ることは、今の国の財政面、能力面、国民の意識面からみて、そういう時代ではないと思います。もちろん、弱者救済など自助努力では対応できない場合は施策を講じておくべきでしょうけど…。

私個人としては、今まで何度か申し上げてきましたが、各種の年金制度のひずみを突きながら、厚生年金とは最低限のお付き合いだけを続けて行きたいと思っています。

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2004.11.27

従業員を雇うと…

法人を設立すると、従業員を雇っていなくて、社長一人だけの会社であっても、厚生年金(健康保険も)に加入しなければいけませんが、実際は加入しなくて国民年金の第1号被保険者であったり、国民年金にも加入しないケースもかなり多いようです。

これは、日本の年金制度が「強制加入」といっておきながら、国民が自主的に手続きをしなければ役所は知らん振りという仕組み上の欠陥と、おまけに、度重なる制度改正と経過措置の設定で、一般の人にはとても理解できないくらい複雑怪奇な制度になってしまっているということから、法律違反が発生するのも当然のことともいえるでしょう。

まあ、従業員がいないのであれば、社長個人の問題ですので、法律に反していようとも自己責任の世界ですが、これが1人でも従業員を雇うようになれば、今度は従業員の生活や人生に対する責任が出てきます。

ですので、従業員が「この会社に就職すれば厚生年金に加入することになる」と思っているのに、会社として加入していないと、従業員からの信頼を失う恐れもありますので、きちんと対応しておく必要があります。

ただ、従業員が厚生年金に不信感を持っているケースも増えてきていますし、特に扶養されているパートさんなどは望まないでしょうから、一概にはいえないのですが…。

いずれにせよ、従業員を雇うということは、とても大きな責任を背負い込むことになるという自覚は必要ですね。サラリーマン時代は、収入もある程度安定していたものが、独立すると自分の収入も安定しないのに従業員の生活まで心配しなければいけなくなりますから大変です。

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2004.11.23

法人社長の年金上乗せ

厚生年金や国民年金を補完し、老後の年金を上乗せするものとして、個人事業の場合は付加年金、国民年金基金、小規模企業共済をご紹介いたしました。

法人の社長の場合は、国民年金の第2号被保険者(厚生年金に加入している人)ですから、付加年金、国民年金基金には加入できません。これらは第1号被保険者(厚生年金に加入していない人)が対象になっています。

そこで、小規模企業共済の登場です。これは、製造業などで従業員の数が20人以下、商業・サービス業で従業員の数が5人以下であれば、法人の役員も加入できます。

掛金は、1ヶ月あたり1,000円から70,000円までの範囲内で500円刻みで自由に選べ、全額所得控除されますので、節税になります。

詳しくは、過去の投稿(小規模企業共済①②)をご覧ください。

強制加入である厚生年金、国民年金で老後の年金はある程度の額にはなりますが、この小規模企業共済に入っておけば、将来引退するか、65歳になったときに一時金や年金でまとまった額がもらえるので助かります。

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2004.11.20

厚生年金の今後

法人を設立して経営者になった場合、年金については厚生年金に加入することになりますので(加入していない人が多いのが実情ではありますが)、毎月保険料を納めることによって、将来もらえる年金額も一応サラリーマン時代と同じように少しずつ増えていくことになります。でもそれで安心してはいけません。

厚生年金保険料は、今年から2017年まで13年間にわたって毎年引き上げられていきます。この10月も、それまで報酬の13.58%だったのが13.934%に、引き上げられました。

今後毎年0.354%ずつ引き上げられていき、2017年には18.3%となりそこで引き上げはストップします。ストップしたからといって、それで今後の負担アップのゴールが見えているわけではありません。

少子高齢化が今の国の予測よりも進めば、今度はもらえる年金をカットすることになっているのです。現在は、もらえる年金額の計算方法が、「平均月収(ボーナス込み)×0.005481×保険加入月数」となっているのですが、今後の状況によっては、この率を引き下げるというのです。

国はかなり甘めの予測で制度設計しており、実際、合計特殊出生率(女性が一生に産む子供の数)は、すでに年金改革の前提となった予想値より下回っています。将来、今よりもらえる年金が引き下げられる可能性は極めて高いといえるでしょう。

ですので、法人の社長で厚生年金に加入しても、それだけでは老後の生活費はまかなえませんので(もちろんサラリーマンでも同じですが)、やはり対策が必要になってきます。

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2004.10.01

年金のおさらい②

老後の生活費を確保する3つめの手段として、中小企業基盤整備機構(前の中小企業総合事業団)が運営している小規模企業共済があります。

毎月掛金を支払い、事業を廃止したり死亡した場合に共済金がもらえる制度で、付加年金や国民年金基金と同じように、掛金が全額所得控除されます。掛金は、1,000円から70,000円までの範囲内で、500円きざみで自由に選べます。

共済金は、一括受け取りも出来ますし、一定の要件を満たせば分割受け取りも出来ます。分割で受け取る場合は公的年金等控除が出来る雑所得、一括で受け取る場合は退職所得扱いになり、どちらの場合も税法上有利です。

小規模企業共済は国民年金基金と別枠で加入できますので、事業が順調に拡大して収入が多くなれば、国民年金基金にプラスして加入するといいでしょう。

ところで、国民年金にしろ厚生年金にしろ、優れているのは、将来物価が上昇してお金の価値が下がったときは、価値の低下をカバーできるよう年金の額が上がる「物価スライド」があることです。

まあ、今回の年金改革で「マクロ経済スライド」なる仕組みが導入され、物価の上昇マイナス0.9%しか増額されなくなりましたが、それでも極端なインフレが起こった場合でも年金額もそれなりに連動して上がるので安心です。

このような仕組みは国民年金基金や小規模企業共済、民間の個人年金保険にはありませんので、公的年金はいろいろ批判はありますが、きちんと保険料を支払っておく方がいいと思います。

将来インフレになるかデフレになるかは誰にも正確には予想できませんので、結局は自己責任で判断するしかないのですが、インフレ対策もしておきたいということであれば、比較的インフレに強いといわれている株式なども運用対象になっている確定拠出年金を活用することもひとつの手ですね。

個人事業者(国民年金第1号被保険者)の場合、掛金限度額は国民年金基金と確定拠出年金を合わせて毎月68,000円となっています。

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2004.09.28

年金のおさらい①

厚生年金と国民年金のおさらいです。最初に老後の年金についてです。

サラリーマンは厚生年金に加入していますが自動的に国民年金にも加入しています。この場合、老後の年金は、国民年金と厚生年金でダブルでもらえます。

サラリーマンが個人事業で独立開業すると、国民年金(第1号被保険者)のみになってしまいますので、厚生年金がない分、老後の年金は少なくなってしまいます。

独立開業する場合に限らず、たとえサラリーマンを定年まで続けたとしても、もはや年金だけでは老後の生活費はまかなえない時代になっていますので、自分自身で年金を補う老後の生活費確保の手立てを考えなければなりません。

その手段ですが、サラリーマンであれば、せいぜい民間の個人年金保険に加入するなどの方法しかありませんが、個人事業で独立開業すると、いくつか別の有利な方策が選択肢に入ってきます。

それが、付加年金、国民年金基金、小規模企業共済です。

付加年金は、国民年金の第1号被保険者が加入できるもので、毎月400円の掛金で、老後は、掛けた月数×200円の年金が上乗せされます。2年で元が取れるので、効率としては非常にいいのですが、何分、額が小さすぎて、これでは十分な老後の生活費を確保できません。

そこで国民年金基金です。これも国民年金の第1号被保険者が加入できるものですが、加入口数は毎月最高68,000円まで可能で、付加年金ほど効率はよくありませんが、確実に多くの老後の年金がためられます。

付加年金と国民年金基金はどちらか一方しか入れませんが、どちらも税制面でとても優遇されており、掛金は全額所得控除されており、老後にもらえる年金も公的年金控除されます。

独立開業して、全然収入がないのであれば、とりあえず付加年金で金額を少しでも上乗せし、ある程度収入が確保できるようになれば、国民年金基金に変更して、掛金を少しずつ増やしていくといいと思います。

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2004.08.23

老後の年金その11

ゆとりある老後を過ごすために、65歳以降毎月35万円程度の収入を得るためには、まず夫婦それぞれ国民年金で13,300円ずつ、国民年金基金で68,000円、小規模企業共済で54,000円程度、合計で148,600円程度を毎月支払うことになります。

実際にこれだけを毎月支払いつづけるのはかなりきついですね。これに健康保険料なども加わってきますし。ですので、独立して収入も十分でない段階では、国民年金は当然加入するとして、とりあえず付加年金か、小額の国民年金基金からスタートし、極力早い時期に満額の掛金を支払うことを目指しましょう。満額払えるようになったら今度は小規模企業共済で満額を目指していきましょう。

ここで重要なことは、すでに入っている生命保険を見直すことです。65歳以降の生活費の貯蓄は、掛金100%所得控除で、支給されるときも税法上有利な国民年金基金などを優先します。

貯蓄型の生命保険は、加入時期によっては、とても利回りがよい場合もありますので、解約せずに続けたほうがいいケースが多いですが、少なくともここ数年に入った生命保険はかなり利回りが悪くなっていますので、国民年金基金などの節税メリットと比較して見直しを検討してみましょう。

また、利回りがよい時期に入った生命保険は解約すると損ですが、貯蓄部分以外にいろんな余計な特約がついていたりしますので、契約内容を見直して掛金をなるべく少なくする工夫をしましょう。その浮いた分を国民年金基金などに振り向ければいいと思います。

独立開業すると将来の収入の保証はありませんので、仮に少し儲かるようになって手元にカネが残るようになっても、決して浪費してはいけません。節税対策などといって必要のない備品を買ったり交際費に使うよりも、100%控除される国民年金基金などに回すようにしましょう。

今回までは老後の生活費を貯めることを見てきましたが、これはまだ何年も先の話で、じっくり取り組めば何とかなります。もっと優先して考える必要があるのが、「自分が突然死んだ場合に家族を路頭に迷わせない方法」です。

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2004.08.20

老後の年金その10~小規模企業共済②~

ここでは老後の年金の増額対策を考えていますので、小規模企業共済に20年掛金を納めていて、65歳から分割して80歳まで共済金を受け取るケースを考えて見ます。

掛金を上限である7万円にし、20年間納めた場合、掛金総額は16,800,,000円になります。これで「65歳になった」ということでもらえる共済金は、約1,800万円強になります。これを15年分割で受け取る場合の年額は、単純に15で割った額ではなく、多少金額が高くなります。この場合は、年間約130万円もらえるようになっており、月々108,000円強ということになります。

話を単純化していますが、小規模企業共済で共済金がもらえるのは「死亡」や「事業の廃止」が基本で、「65歳から共済金をもらう」場合は65歳まで加入し続ける必要があります。ですので、40歳から加入した場合25年掛金を払い続けることになりますので、もらえる共済金額ももっと増えることになります。

65歳まで加入せずに60歳でスパッと引退するのであれば、その時点で一括で受け取るか、60歳から10年または15年の分割受け取りすることになります。

ちなみに、分割で受け取る場合は、3ヶ月に1回支払われますので、実際には32万円強が3ヶ月ごとに振り込まれることになります。

小規模企業共済の共済金は、分割で受け取る場合は公的年金等控除が出来る雑所得、一括で受け取る場合は退職所得扱いになり、どちらの場合も税法上有利です。

どうでしょうか?40歳でサラリーマンをやめて個人事業として独立した場合を想定し、ゆとりある老後の生活を送るために、65歳以降毎月35万円のカネが入るよう検討してきましたが、これで無事目的達成です。

その内訳をざっとおさらいしてみましょう。

月給30万円で20年サラリーマンを勤めた後独立した場合、毎月、厚生年金で42,000円、国民年金で66,000円、奥さん(ずっと専業主婦)の国民年金で66,000円、合計で毎月約174,000円。

国民年金基金を掛金上限の68,000円にして40歳から20年加入すれば、終身年金で毎月約90、000円。

小規模企業共済を掛金上限の70,000円にして20年加入すれば80歳まで毎月108,000円。

これで合計372,000円です。細かく計算すると小規模企業共済は月々の掛金54,000程度にしておけば、他の年金と併せて350,000円程度になります。

おめでとうございます。これで時々海外旅行やゴルフも出来る楽しい老後が待っています。
でも毎月払う掛金が大変ですね?

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2004.08.17

老後の年金その9~小規模企業共済①~

ゆとりある老後をめざして生活費の積み立てる3つ目の方法が、小規模企業共済です。これは、小規模企業共済法等の法令に基づく制度で、独立行政法人中小企業基盤整備機構(前の中小企業総合事業団)が運営しています。

毎月掛金を支払い、事業を廃止したり死亡した場合に共済金がもらえる制度で、「経営者の退職金制度」といわれています。

この制度も、付加年金や国民年金基金と同じように、掛金が全額所得控除されます。掛金は、1,000円から70,000円までの範囲内で、500円きざみで自由に選べます。

うれしいことに、国民年金基金と別枠ですから、国民年金基金で毎月68,000円目いっぱい加入し、それと別にこの小規模企業共済で70,000円まで加入することも出来ます。

加入資格は、製造業などで従業員の数が20人以下、商業・サービス業で従業員の数が5人以下で、個人事業主又は会社の役員であることです。

共済金は、事業を廃止したときや死亡したときのほか、自分の子供などに事業を譲渡した場合ももらえます。また、おいしいのは、事業をやめなくても、15年以上掛金を納付していると65歳以降に共済金がもらえることです。

これは選択できますから、65歳時点でまだまだ事業を現役バリバリでやるのであれば、そのまま掛け続ければいいですし、もう隠居したいと思えば、共済金をもらえばいいのです。

共済金は、一括受け取りも出来ますし、一定の要件を満たせば分割受け取りも出来ます。一定の要件とは、共済金が300万円以上の場合や、事業をやめるときに60歳以上の場合などです。もちろん、65歳以上で掛け金を15年以上払っていた場合も分割受け取りできますので、実質、老後の生活費対策になります。

分割の場合は、受給期間が10年または15年のどちらかを選択することになります。

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2004.08.14

老後の年金その8~付加年金か国民年金基金か~

独立開業した場合の国民年金に上乗せ方法として、付加年金と国民年金基金を紹介しましたが、これらは同時に加入することが出来ません。どちらか一方を選択することになりますが、ではどちらを選んだほうがよいのでしょうか。

付加年金は効率(支払う掛金に対するリターンの大きさ)はいいのですが額がセコいです。国民年金基金は効率はそれほどでもありませんが、かなり大きい額になります。効率をとるか額をとるかです。

これは人によって価値観が違うので一概に言えませんが、独立したときに一定の収入が見込めるかどうかで変わってくるでしょう。

独立して全くゼロから顧客開拓するのであれば、収入の見込みがないので国民年金基金のように毎月何万円も支払うのは無理でしょうから、私ならとりあえず毎月400円だけ支払う付加年金に入り、ある程度収入が見込めるようになった段階で国民年金基金に切り替えるでしょうね。

独立する時点である程度収入が見込めるのなら、最初から国民年金基金で行きます。

付加年金で仮に20年掛金を払ったとして、支払い総額は96,000円です。65歳から年金をもらい始めて仮に80歳まで生きたとして、年金の受給総額は720,000円です。

独立開業を目指す方は、それなりに儲けたいと考えているでしょうから、効率がいいとはいえ、たかだか720,000円もらう程度で満足してはいけません。商売がうまくいけばそれぐらいの額は半月程度で稼げるはずですから。

付加年金は数ヶ月で卒業して国民年金基金に昇格することを目指しましょう。

なお、国民年金基金は、厚生年金に入ったなど加入資格がなくなった場合を除き、任意に脱退することは出来ません。でも、掛金の増額・減額は自由に出来ますし、掛金が払えなくなった場合は中断も出来ますので、商売がうまくいかなくて掛金が支払えなくなった場合でも加入したままで問題ありません。

さあ、これで平均的な老後の生活費程度はメドがつきました。つぎはゆとりある老後を目指して、さらに積み立てしていきましょう!

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2004.08.11

老後の年金その7~国民年金基金③~

国民年金基金は、最高で掛金が68,000円まで掛けることが出来ます。1口目は、前回の説明のとおり、A型・B型の2種類の終身年金でしたが、2口目以降は、終身年金のほか、75歳や80歳までで年金が終わる(逆に言えばそこまでは保障してくれる)確定年金も選択することが出来ます。

また、2口目以降は、1口あたりの掛金額が小刻みに設定されていますので、68,000円以内で終身年金と確定年金を組み合わせることも可能です。

ここでは、40歳で加入した場合で、最高の68,000円以内で目いっぱい組んだ場合を想定してみます。仮にすべて遺族一時金付きで一生年金がもらえるA型を選んだとすると、1口目は14,580円、2口目以降は1口当たり3,645円となっていますので、14口まで入れます。これで掛金合計は65,610円になります。この場合、65歳以降毎月9万円年金がもらえるようになります。

また、自分は80歳まで生きられればいいほうだと思えば、2口目以降は80歳までで年金が終わるコースにすると、
毎月の掛金は、67,875円、65歳から80歳までは毎月11万5千円もらえます。この場合でも1口目は終身年金ですから、80歳以降は毎月2万円もらえます。

このように、40歳で独立開業するケースでは、国民年金基金に目いっぱい加入すれば、国民年金やサラリーマン時代にもらっていた厚生年金と併せると、それだけで平成14年度の高齢者世帯の平均収入を上回ることが出来ます。
老後の年金その2を参照してください)

国民年金基金の掛金は全額所得控除されます。仮に掛金が68,000円の場合ですと年間で816,000円です。この全額が所得控除になりますから、節税額はその10%~37%になります。ちなみに民間の生命保険会社の個人年金に入ったとしても年間5万円までしか控除してくれません。

さらに、なおかつもらえる年金も「公的年金等控除」が適用されるのも大きなメリットです。通常の所得に比べてとても優遇されています。

入らない手はないですね。なお、女性の場合は平均寿命が長いからだと思いますが、男性の場合より掛金は高くなっています。詳しくは、国民年金基金連合会のHPをご覧ください。

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2004.08.08

老後の年金その6~国民年金基金②~

今回は国民年金基金の具体的な内容について見ていきましょう。

国民年金基金は、60歳まで毎月掛金を支払うと、65歳から死ぬまで毎月年金が給付されます(終身年金といいます)。また、年金をもらい始めて早いうちに死んだ場合などに遺族に一時金が給付されるコース(A型と呼ばれています)と、遺族一時金がないコース(B型)の2種類から、加入者が選択できるようになっています。

掛金は遺族一時金もついてくるA型のほうが、ついていないB型よりも高くなっています。また、加入したときの年齢により掛金額は細かく分かれています。

65歳からもらえる年金も、加入したときの年齢によって分かれています。

年齢別の掛金額と年金額の例を下に挙げてみました。掛金、年金額とも月額です。

加入時年齢 掛金(A型)  掛金(B型)  年金額
  20歳    9,015円    7,560円    3万円
  30歳   13,245円   11,160円    3万円
  40歳   14,580円   12,380円    2万円
  50歳   16,020円   13,780円    1万円

40歳で加入した場合ですと、A型の場合毎月14,580円を60歳まで払い続けると総額3,499,200円支払ったことになります。これに対して年金は毎月2万円、仮に80歳まで生きたとすると、もらう総額は3,600,000円で、支払った総額より少し上回る程度で、リターンの大きさから言うと大したことありません。

でも、A型の場合、遺族一時金が支払った掛金総額に近い額が支払われますので、掛金が無駄になることはありません。

これがB型ですと、支払う掛金は少なくて済みますが、遺族一時金はありません。40歳加入の場合で支払う掛金総額で2,971,200円、もらえる年金はA型と同じで毎月2万円です。

終身年金は死ぬまでもらい続けることが出来ますが、死んだら当然もらえなくなります。例えば、65歳から年金をもらい始めて66歳で死んでしまうと、長年掛金を払い続けてきたのに1年分年金をもらっただけで終わってしまうのです。

ですので、自分が死んでも遺族がいない場合はB型でいいと思いますが、奥さん(またはご主人)がいたり、成人前の子供がいる場合はA型を選んでおいたほうがいいでしょう。

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2004.08.05

老後の年金その5~国民年金基金①~

付加年金は、確かに率のいい、おいしい制度ですが、上乗せしても金額が知れています。
老後の年金その2で説明しましたとおり、月給30万円ぐらいの人が40歳で独立すると想定した場合、ゆとりある老後を過ごすには、年金以外に17万円くらいまだ足りません。

付加年金で数千円上乗せしても知れています。

そこで年金上乗せ対策第2弾、「国民年金基金」の登場です。

名前がよく似た制度で、「厚生年金基金」というのを耳にされたことがあるかもしれませんが、厚生年金基金は企業が厚生年金加入者(サラリーマン)のために年金上乗せをするものです。ただ、多くの厚生年金基金は運用難のため存続の危機で、実際、解散する基金が急増しています。

これに対し、国民年金基金は、国民年金第1号被保険者向けに、厚生年金基金と似たような業務を行っていますが、厚生年金基金は「企業年金」であるのに対し、こちらは国民年金保険法に基づいて運営される「公的年金」ですので、つぶれることはありません。仮に基金が運用に失敗しても、税金で補てんされることになっています。

また、厚生年金や国民年金は、「世代間扶養方式」で、自分がコツコツ支払う保険料が今の高齢者世代のために使われるのため、将来の自分が得られるリターン(年金)がどれぐらいになるか保証はありません。その時々の制度変更で、過去に支払った保険料分までも給付削減対象になってしまいます。実際、今までも今後の予定も、支払いに見合うリターンは減っていくばかりです。

これに対し、国民年金基金は「積み立て方式」ですので、掛金に応じて将来いくらもらえるかが計算できます。(本来これは当たり前のことですが)

もちろん、将来法律改正などで条件は悪くなる可能性もなくはないですが、すでに支払った掛金分に対するリターン分は守られるはずですので、仮に極端に給付を引き下げるような改正があれば、そのとき対応を考えればいいのです。

ですので、サラリーマンをやめて個人事業者として独立したら、まずは国民年金基金への加入を検討してみましょう。

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2004.08.03

老後の年金その4~付加年金~

前回、個人事業者として国民年金だけになった場合、老後の年金の蓄えが不十分になるため、それを補完するものとして3つあるとお話しました。

今回はその第1弾、「国民年金の付加年金」です。

付加年金は、名前のとおり、通常の国民年金だけではもらえる年金が少ないと思った人が、自ら希望すれば通常の年金に「付加」できる制度です。

利用できるのは、国民年金の第1号被保険者、つまり個人事業者や無職の人などです。第2号被保険者であるサラリーマンや、第3号被保険者であるサラリーマン家庭の専業主婦などは利用できません。
毎月の国民年金保険料(現在は13,300円)に400円上乗せして保険料を支払えば、老後にもらえる年金が増額されます。

増額される金額(月額)は、「200円×納付月数÷12」で計算されます。この額が、65歳から死ぬまで、一生涯給付されます。

毎月400円払って200円のリターンというのは、パッと見、なんか損しているように思われますが、これはリターンの大きさから言うとダントツで有利なんです。

この付加年金は、老齢年金を受給開始後、2年間で元が取れてしまいます。それ以後はまるまる儲けとなりますので、長生きすればするほど、莫大なリターンを得ることが出来ます。

たとえば、10年間(120ヶ月)、毎月保険料を400円余分に納付すれば、老後は通常の金額に毎月2,000円上乗せしてもらえます。この場合、支払額合計は10年間で48,000円ですが、80歳まで生きるとすれば、65歳の老齢年金受給開始後15年間、毎月2,000円上乗せされるので、もらえる額は合計360,000円、実に7.5倍になるのです。

リターンの効率のよさから言うと、この付加年金がダントツでしょう。

デメリットは、「金額がセコイ」ことです。2口、3口と増やせればいいのですが、掛金は400円のみです。ですので仮に20歳から60歳まで目いっぱいかけ続けても、毎月8,000円しか上乗せできません。

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2004.07.31

老後の年金その3

国民年金や厚生年金だけでは、老後の生活費がとても足らないとすれば、どうして老後の生活費を積み立てればいいのでしょうか?

生命保険会社の個人年金保険に入りますか?

確かにそれもひとつの方法ですが、優先順位はずっと下です。たしかにサラリーマンであれば、それぐらいしか手立てはありませんが、せっかく独立して個人事業者になるのですから、個人事業者のために用意された公的制度を目いっぱい活用しましょう。

個人事業者には3つの選択肢があります。それは、「国民年金の付加年金」、「国民年金基金」、「小規模企業共済」です。このうち、「国民年金の付加年金」と「国民年金基金」は2者択一で、どちらかを選択しなければいけませんが、このどちらかと「小規模企業共済」は同時に加入することが出来ます。

この3つの公的制度のメリットは、掛金がすべて所得控除できるということと、受給のときは公的年金控除などが適用され、税金面でとても優遇されていることです。

これが民間の生命保険会社の個人年金保険だと、掛金は一部控除されますが全額ではありませんし、受け取る年金も公的年金控除が適用されません。

ですので、独立したら、老後の生活費の備えとして「国民年金の付加年金」または「国民年金基金」に加入し、併せて「小規模企業共済」に加入しましょう。

独立当初は、収入も少ない場合も多いですから、これらに加入して所得控除されれば、所得税がゼロで済むケースもありえますし、老後の生活費もきっちりため込むことが出来ます。

では、順番にそれぞれの制度を見て行きましょう。

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2004.07.28

老後の年金その2

個人事業者として独立した場合、定年までサラリーマンで過ごした場合よりも低くなってしまいますので、何らかの対応を考える必要があります。

では、そもそも、老後の生活費として、どれだけの資金が必要なのでしょうか?

これについて参考になる調査結果として、生命保険文化センターの「生活保障に関する調査(平成13年度)」があります。この結果によると、老後、夫婦2人が生活するために最低限必要な日常生活費は、平均23.5万円となっています。さらに、レジャーや交際費なども考慮し、ゆとりある生活を送るためには、37.3万円必要とのことです。
(参考)
http://www.jili.or.jp/PBtx/f_res.html

これは平均的な結果ですので、もちろん個人差があります。住宅ローンがまだ残っていたり、お子さんの学費がまだ必要など、それぞれの事情を考慮する必要がありますが、とりあえずここでは、最低目標として夫婦で月35万円程度生活費に回すことを目標にして見ましょう。ちなみに、厚生労働省の「平成14年度国民生活基礎調査」によると、高齢者世帯の平均収入は、月額約25万4千円ですので、35万円というのは、かなり余裕を持った目標になっています。

なお、ここでは物価変動は考慮していません。将来物価がどうなるかは誰にもわかりませんので、物価変動に対するリスクは、資金の運用方法の分散化による対応を検討したほうがいいです。

で、前回の例で見てみますと、平均の月給30万円で20年サラリーマンを勤めた後独立した場合、厚生年金で42,000円、国民年金で66,000円、これに奥さんが仮にずっと勤めたことがないとすると、国民年金の66,000円が加わりますので、174,000円となります。

これ以外にも「加給年金」など、加算される要素はありますが、とりあえず一番基本的なところで計算しています。

うーん、困りましたね。最低目標の35万円と比べても、まだ176,000円の開きがありますね。でも、仮に40年間サラリーマンしたとしても43,000円程度が上乗せされるだけです。
みなさんも、前回の記事の計算式を参考に、今までの平均給料と何歳で独立するかを考慮し、65歳からいくら厚生年金がもらえるか計算してみましょう。

いずれにせよ、公的年金だけでは明らかにまともな老後生活を送れないのです。独立開業を検討したことで、いろいろ生活リスクにも考えるようになり、公的年金だけではいかに不十分かが判っただけでもよかったと考えましょう。

会社にしがみつくだけのサラリーマンは、ひょっとしたらそんなことも気がついていないかもしれませんから。

それでは、次回から、この目標との乖離を穴埋めしていく方策を検討してみましょう。

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2004.07.25

老後の年金その1

今回は、サラリーマンが個人事業として独立した場合、老後の年金はどうなるかを見て行きます。

なお、年金制度はちょこまかと制度変更していて、世代による支給開始年齢などが変わってきますが、ここでは完全に過渡期間が終わった昭和36年4月以降生まれの方の場合を想定して話を進めたいと思います。

厚生年金の年金額の計算方法は次のとおり、給料の額と加入月数に応じて決まります。

H15.4.1以前の分:
平均月収(ボーナスは除く)×0.007125×保険加入月数
H15.4.1以降の分:
平均月収(ボーナス込み)×0.005481×保険加入月数

H15.4月以前は、ボーナスは対象外とされていたのが、H15.4月以降はボーナス込みで年金額(保険料もですが)を計算するようになりました。

ですが、年間のボーナスが、月給の3.6か月分程度であれば、H15.4前後でもほとんど同じ年金額になります。年間のボーナス額が給料の3.6か月分以上であれば負担増、3.6か月分以下であれば負担減です。

話を単純化するために、年間ボーナスは、月給の3.6か月分としてお話いたします。

具体的に厚生年金でもらえる老後の年金を見て行きますと、例えば、20歳から60歳までの40年間をサラリーマンとして過ごし、40年間通算した平均月給が30万円であれば、65歳以降は老齢給付として、厚生年金から毎月約85,500円もらえることになります。

厚生年金に加入していると、自動的に国民年金にも自動的に加入していることになっていますから、厚生年金とは別に、国民年金から毎月約66,000円もらえますので、合計151,500円もらえることになります。

国民年金の額は、給料や収入の多い少ないは関係なく、単純に加入月数で計算されます。40年間フルに加入した場合、もらえる年金は毎月約66,000円になります。

ちなみに、未加入期間や未納期間があると、毎月もらえる年金額は、
66,000円×加入月数÷480で計算します。

40年間すべて個人事業者として過ごすと、国民年金の66,000円のみになってしまいます。

仮に、20年サラリーマンをやった後、40歳で独立したのなら、給料が30万円でずっと変わらなければ、65歳からもらえる厚生年金は半分の42,000円程度になります。

ですので、サラリーマンをしていて途中で個人事業者として独立する場合、個人事業者の期間が長くなればなるほど(サラリーマンの期間が短くなればなるほど)、もらえる厚生年金の額は少なくなっていきます。

生活リスクを低減するためには、これへの対応を考える必要があります。

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